「東京タワーが放つオレンジ色の光は、私の心のなかの東京のイメージ」。施設を運営する日本電波塔には、そんな声が多く寄せられるという。東京タワーのライトアップは、この50年余にさまざまな変遷を経てきた。1958年(昭和33年)に完成した当初は、輪郭に沿ってポツポツと光が並ぶイルミネーションを点灯していた。戦後の復興期から抜け出そうとしていた当時は建造物の外観を光で飾ること自体が珍しく、大きな話題だった。やがて周囲に高いビルが建ち、街がネオンで明るくなって目新しさが薄れ、観光客の足も遠のき始めた。集客力の向上などを図り、89年に本格的なライトアップ「ランドマークライト」を開始。オレンジ色の高圧ナトリウムランプを用いる秋から春は特に、塔に塗装されたインターナショナルオレンジの色と相まって、温かみのある姿が際立つ。大規模な建造物のライトアップとしては国内の先駆けとなり、再び注目されるようになった。