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クスリを投与する医師の心理

医療費の中でクスリと検査の占める割合が高すぎることが、常に指摘されています。そして、クスリの過剰投与や検査づけが病院経営のため、医師の儲け主義とこれまで宣伝されてきました。しかし、その指摘はまちがいです。薬価差益、すなわち国で定めたクスリの値段と実際の納入額との差額(クスリの金額の約一〇%)が病院の収入になることは事実です。またCTなどの高額医療器械を使用しなければ、投資のもとをとれないことも事実です。

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しかし実際には、経営上の動機からクスリの量や検査の回数が増えるわけではありません。医師の心理としては、患者が症状を訴えた場合、「我慢しなさい」と赤ひげ的に言うよりも、クスリを処方する方が楽なのです。「ああでもない、こうでもない」と説明するよりも、「このクスリで様子をみてください」と言う方が簡単なのです。さらに科学的根拠はありませんが、クスリ1剤よりも多剤を投与した方がよく効くと思い込んでいるのです。医師にとっては、患者を早くよくしたい気持ちからクスリの量が自然に増えるのです。このようにクスリの量は医師が金儲けを意識しているからではなく、その善悪は別問題として、病気を早くよくしてあげたいと思う医師の善意の表れ、と考える方が素直だと思います。あるいは過少診療による批判を逃れる手段と考える方が適切だと思います。この医師の心理を知らずに議論しても、問題は解決しないのです。