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なぜこの店で買ってしまうのか

『なぜこの店で買ってしまうのか。ショッピングの科学』パコーアンダーヒルによれば、「私たちの買うものの六〇〜七〇%程度は、もともと買う気のなかったもの」だという。ファッションヴィクティムの場合、今も買い物の過程そのものを楽しいと感じるようなところがある。店内を見て回って、服を試着したり、生地を触ってみたりして楽しむわけである。ブルーフライやガールシー。なぜこの店で買ってしまうのか。ヨップ、ハープルーズカードといったネット上のショップ、また、実在する店のウェブサイトでさえ、「ぶらぶら見て回る」というショッピングの楽しみを残している。彼らは気づき始めたのだ。消費者は、ローファー一足にしても、横から、正面から、拡大して、モデル着用で、さまざまな色のバリエーションで、というように色々な見方をしたいのかもしれないし、ウェブ上の他のアイテムとコーディネートしてみたいのかもしれない、と。そんなわけで、過去に「六〇秒でお出しできなければ代金はいただきません」という実験を行ったマクドナルドの店舗もあったけれど、果たしてフレンチーコネクションやベネトンがそこまですばやい回転ペースをめざすかどうかはいささか疑問である。